フランクリン遠征隊 ミイラの身元が判明?エレバス号,テラー号の今は…
1月23日の『世界まる見え!テレビ特捜部』で取り上げられる「フランクリン遠征隊(北極航路遠征隊)」ってご存知ですか?
1845年、カナダ北極諸島~ヨーロッパ~アジアを結ぶ「北西航路」の“未航海ルート”を横断しようと挑戦した、イギリス遠征隊のことです。
ジョン・フランクリン海軍大佐という人が指揮をとっていたので、その名前が付いています。
結末を言いますと、このフランクリン遠征隊(北極航路遠征隊)の船2隻「エレバス号」「テラー号」は北極海で氷に閉ざされてしまい、隊員129人は失踪して帰らぬ人に。
そして長年にわたって船の捜索がわれてきましたが、ついに2014年にエレバス号が、2016年にテラー号が、それぞれ沈没船として発見されたのです。
おまけにエレバス号からはミイラ化した隊員も上がったとか…。
数年前にこの隊員の身元が割り出されるなど、172年経った今でも全てが解明されていないミステリーになっています。
フランクリン遠征隊(北極航路探検隊)のエレバス号&テラー号について
エレバス号とテラー号のスペックを調べても、航海が失敗するとは思えないくらい、しっかりした船なんですよね~。
エレバス号は積載量378トン、テラー号は積載量331トン。
いずれも、鉄道会社が製造した蒸気機関を使っていて、時速7.4 km(4ノット)で航海できたとか。
船内の設備も充実していて、1,000冊以上の本を収納した図書室があったり、約3年分の保存食・缶詰のストックがあったようです。
それでも…
フランクリン遠征隊(北極航路遠征隊)の船は、下の地図の印がある「キングウイリアム島」北西辺りで、氷に囲まれて動かなくなってしまったようです。
私のような素人からすると「流氷が動くまで待てばいいでしょ?」「力技で突き進めば?」と安易に思ってしまいますが……
なんと、1846年は動けないまま冬が終わってしまい、翌1847年の夏も氷が動かず、1848年はついに船を放棄して陸路を目指して歩いたようです!
恐るべし、北極諸島の流氷!
ワンシーズンや1年があっと言う間に過ぎ去るような航海だったんですね…。
その後、隊員たちは次第に仲間が減っていき全滅…。
(島の各地で、帰らぬ姿になって発見)
エレバス号とテラー号も行方がわからなくなりました。
もう一つ注目なのが、隊員たちは「鉛中毒」になり、精神的・肉体的にも深刻なダメージを負っていたという事実です。
これには、2つ推測が考えられています。
一つは、食料だった缶詰のハンダ付けが粗かったために鉛が内部の食材に染み込んでしまったとする見解。
もう一つは、船の蒸気機関装置によって大量の鉛を含んだ水がつくられ、これを隊員たちが継続的に摂取したという見解です。
いずれにしても、フランクリン遠征隊(北極航路探検隊)には、予期せぬトラブルが幾つも起こったようです。
現場は大混乱したと思いますね。
フランクリン遠征隊のエレバス号&テラー号が発見!ミイラの身元も判明?
フランクリン遠征隊(北極航路探検隊)の航海の詳細や、隊員たちが辿った足取りについては不明な点も多く、調査が続けられているところです。
そんな中、専門の調査チームの手により、2014年にエレバス号が海底で発見されたことは歴史的な出来事でした。
船の原形を残していたといいますから、氷や冷水に包まれて“保存状態”は良かったということでしょう。
さらには、ミイラ化した隊員2人も発見!
こちらは、そのうちの1人の画像だそうです。
わかりにくい画像かもしれませんが、約170年前に行方不明になった人だと考えると、顔かたちが判別できるなんて、驚きの一枚ではないでしょうか?
頭蓋骨や残された組織から生前の姿を復元させると、この隊員はアバディーン出身の「ジェームズ・リード」さんだと判明。
ただし、DNA鑑定で特定したわけではないので、調査チームは、ジェームズ・リードさんの関係者がDNAサンプル提供のために名乗り出てくるのを待っている状態といいます。
そして2016年には、水深24メートルの海底にあるテラー号も発見されました。
こちらも、無傷のままの船体でキレイな状態だったそうですね。
エレバス号もテラー号も、内部に入るのは危険なため、まだ詳細な調査は行っていないそうです。
調査の費用もかかりそうですし。
しかしながら…
いずれは船内の調査が進み、フランクリン遠征隊(北極航路探検隊)の“真実”が明かされることに期待したいと思います。