グアダラハラ爆発事故原因,金属腐食の真相は?静岡県の爆発と比較!
1992年にメキシコ・グアダラハラで起きた地下爆発事故で、原因となった配管の金属腐食の真相についてスポットを当てます。
私、いつも『奇跡体験!アンビリバボー』を楽しみに観てるんですよ。
国内外のいろいろな事件・事故から学べることが多いからなんです。
2月9日の放送では、206人が犠牲となったメキシコ・グアダラハラの地下爆発事故の真相が取り上げられます。
グアダラハラといえば、メキシコ第2の都市で、歴史的な美しい建物が多いことから“西部の真珠”と呼ばれています。
この大都市で起きた「グアダラハラ爆発事故」ですが、結論を先に明かしますと、下水道に流入したガソリンが引火爆発したことで大勢の犠牲者を出してしまいました。
なぜ地下にガソリンが…?
今回は、グラダラハラ爆発事故の経過・原因・真相を振り返りながら、実は1980年に日本でも静岡県で地下爆発が起きていることを思い出しましたので、そちらの事故についても勉強のため調べてみました。
目 次
メキシコ・グアダラハラ爆発事故の経過について
今から25年前…
気温30度を超える夏日が続いていた4月のグアダラハラで、ガスの異臭騒ぎが起きていました。
トルティーヤ店を営んでいる女性オーナーはガス会社を呼んで点検を依頼しましたが、異常は見つかりません。
しかし…
ほかの家の水道からもガソリンの臭いが上がっているという声や、トルティーヤ店から数キロ離れた場所にあるマンホールから煙が吹き出しているという目撃談がありました。
住民の通報を受けた水道局の職員は地下を調査。
すると、下水道に可燃性のガスが充満していることがわかりました。
職員は直ちに市長に報告したものの、市はなぜか水道局の訴えに真剣に取り合おうとしません。
住民たちにも「原因は不明だが、危険はない」と説明したのです…。
そして、その数日後…いきなり地下で大爆発が発生!
4時間以上にわたって爆発は続き、道路も数キロメートルにわたって陥没してしまいます。
206人が亡くなり、約500人が負傷、約1万5,000人が自宅を失うという前代未聞の大惨事となりました。
被害額は3億ドル~10億ドルと推定されました。
まさにアンビリバボーな事故でした。
メキシコ・グアダラハラ爆発事故の原因は金属腐食!そうなった真相は?
メキシコ・グアダラハラ爆発事故の原因として、はじめは地震が疑われましたが、被害の地域が一部に限定されていることから地震の可能性は低いことがわかりました。
そこで注目されたのが、過去1983年と1991年にもグアダラハラで起きていたガソリンによる爆発事故でした。
爆発事故があったエリアには、工場や化学プラントなどが40カ所以上も存在していたのです。
調査の結果、メキシコ最大の国営石油会社である「ペメックス製油所」が事故に関係していることが判明。
以下の状況が、大惨事を招いた原因になっていたという真相にたどり着いたのです。
- ペメックス社の地下には、286キロメートル離れたサラマンカ市までガソリンを流す「送油管(=パイプライン)」が走っていた
- そのパイプラインは鋼鉄製だが、腐食によって空いた穴からガソリンが漏れていた
- パイプライン近くには別の配水管(こちらは亜鉛メッキ銅製)も通っており、パイプラインと配水管が何らかの偶然で接触しつづけていたことにより、「局部電池腐食(電池の+・-のようになる化学反応)」を起こして腐食した
- パイプラインから漏れたガソリンは、地中の下水道管の割れ目から内部に侵入し、推定60万リットルがグアダラハラ中に行き渡ることになった
- 連日30度を超える暑さでガソリンが気化し、爆発が起きやすい状態も相まって、放電により引火した
爆発が起こる前に住民たちはガソリン臭を訴えていたにも関わらず、市の怠慢な対応によって、避難や補修の対策を行っていませんでした。
ここが事故の被害を大きくした一番の問題でしょうね…。
事件後、市長をはじめ、水道局、ペメックス社の責任者が逮捕されました。
現在は、パイプラインが遠隔地に新設されたり、下水道管の管理が徹底されるなど、しっかりとした対策が講じられているそうです。
グアダラハラ爆発事故で思い出した…静岡県の爆発はどんな事故?
メキシコ・グアダラハラ爆発事故より約10年さかのぼる1980年8月、静岡市葵区の静岡駅でも「地下街爆発事故」が起きていました。
こちらの事故はご存知ですか?
私は子供のころだったので実は詳細を知りません。
静岡地下街爆発事故は、15人が亡くなり、223人が負傷する大惨事でした。
静岡駅前ですから、メキシコ・グアダラハラと異なり、工場や化学プラントは無かったはずなので何が原因だったのでしょうか?
この事故は、お盆休み中、静岡駅北口の地下街で起きました。
多くの通行人がいたことが被害を大きくしたのです。
爆発は2度。
初めは、静岡第一ビルという建物の地上階に入っていた寿司店で小さなガス爆発事故が発生。
都市ガスのガス漏れかと思いきや……どうやら地下にあった「湧水処理槽」に溜まっていた残飯・ヘドロから大量のメタンガスが発生していて、ポンプ付近で引火したらしい…。
この爆発だけなら小規模で収まりましたが、この事故によって、ビル内の都市ガス配管が破損してしまい、ガス管から漏れた都市ガスが地下街に溜まってしまいます。
都市ガスは空気より軽いため、直上のビルの上層階にも充満。
地下で現場調査を行っていた消防士がさらに寿司店の奥にある機械室に入ると……検知器が高濃度の可燃性ガスを検知しました。
すぐさま地下街からの脱出指示や排気作業を始めますが間に合わず、2回目となる大爆発が起こります。
2回目の爆発では、寿司店の直上のビルも炎上。
ビルの向かいにあった西武百貨店静岡店をはじめ、隣接する商店など163店舗のガラスや壁面を破損し、半径100メートルにわたって被害をもたらしました。
メタンガスによって起きた爆発が原因となり、さらに都市ガスが漏れて2次爆発を起こす―という大惨事。
臭いはわかっても目に見えないガスは、時に恐ろしい事故を起こしますね…。
この事故の翌年、消防法施行令が改正され、事故当時のビルに設置されていなかった「緊急ガス遮断装置」や「ガス漏れ警報装置」などを付けることが義務化されたということです。