組織バンク事件(2004年)マイケルの手口,真相は?バーバラが離婚後に賠償!
アメリカで起きた「組織バンク事件」(2004年)の犯人・マイケルの手口や真相のほか、妻バーバラの不幸などについてスポットを当てます!
3月9日の『奇跡体験!アンビリバボー』では、13年前にニューヨークで発生した「組織バンク事件」という犯罪が取り上げられます。
「組織バンク」といえば、亡くなった人の骨や腱といったパーツ(組織)を遺族の承諾を得たうえで採取・保存し、患者の移植希望だったり、医療機関の研究ニーズとマッチングさせる事業。
この人命にかかわる重大な事業を、私腹を肥やす手段として利用した悪の権化が、今回登場する元歯科医師マイケル・マストロマリノという犯人です。
犯罪を全く知らなかった妻バーバラ・リーフェルを巻き込んだだけでなく、アメリカ全土も恐怖に陥れたというマイケルの手口や事件の真相について、自分でも調べてみました。
目 次
組織バンク事件(2004年)のあらましは?
「組織バンク」とは本来、ドナーと、組織を受け取る患者の“命をつなぐ”という素晴らしい事業です。
もちろん事業ですから、金銭のやり取りが伴う「売買契約」が認められていますが、これは決められたルールがあってこそ成り立つもの。
最も重要視されるべきは、やはり人の命の有り難さでしょう。
決して、その仲介に当たる立場の人間が“儲け”だけを優先してはいけないはずですが……。
2004年、アメリカ・ニューヨーク州。
主婦のバーバラ・リーフェルは、夫のマイケル・マストロマリノが結婚後に立ちあげたベンチャービジネスが成功し、夢だった一軒家を購入したばかりでした。
夫のビジネスは「組織バンク」で、バイオメディカル・ティッシュ・サービシズという会社を設立。
事業内容は、遺族の承諾を得た人体から、骨・皮膚・腱・心臓弁・角膜…といった組織を採取し、「医療用製品」にして販売する仕事でした。
この製品は、病院・医学部・医療関連会社にわたり、移植・解剖実習・研究開発などの目的に役立っていました。
マイケルは多忙で、家を空ける日も多かったですが、バーバラは「大勢の人たちの命を救う仕事をしているから、夫は大変なんだ」と理解し、不自由のない暮らしに満足。
……しかし、ある日、バーバラの家に突然警察がやって来て、幸せなセレブ暮らしが一転することになります。
なんと、マイケルが提供した製品で移植・治療を行った患者が、C型肝炎・梅毒・HIVなどの病気を発症するという大事故が起きていたのです。
組織バンク事件(2004年)でマイケルが犯した罪、手口、真相は?
2004年のアメリカ「組織バンク事件」の真相―。
それは、マイケルが提供していた“製品”は正式にドナー登録されたものではなく、遺族の許可もなく勝手に人体から採取し、販売されていた組織だったのです。
ドナー契約の書類も偽造されて…。
実はマイケル、かつて薬物中毒で逮捕され、医師免許を剥奪されていたブラックな経歴の持ち主。
移植を受けた患者の中には、重度の感染や敗血症ショックなどに苦しんだ人もいたそうですが、自分が儲けることしか考えていないマイケルはお構いなしです。
「組織バンク」は、1契約あたり4,000ドル(当時約44万円)の報酬を得ていたそうで、マイケルは4年間で、実に400万ドル(当時約4億4,000万円)以上を稼ぎ出しました。
バーバラの夢だった一軒家は、この“汚れた金”で実現していたのでした…。
2006年、極悪人のマイケルは逮捕されました。
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マイケルの手口、仕組みはこうです。
グルになって犯罪に手を染めていた葬儀場の経営者ルイス・ガーゾーンとジェラルド・ガーゾーン兄弟から、マイケルに葬儀の連絡が入ります。
すると、別動部隊として、人体からパーツを取り出す役割の仲間たちが葬儀場へ直行。
専用の解体部屋で、パーツを取り出します。
それをマイケルが購入して入手……遺族の承諾サインなどの書類を偽造したうえで、病院などに販売していたのです。
葬儀場に運ばれた人の中には、ガンやエイズで亡くなった患者もいましたが、その事実さえも隠蔽されていました。
ちなみに……
この葬儀屋の兄弟は、約200体分の報酬として24万5,000ドル(当時約2,695万円)を懐に入れていたとか。
自分たちさえ儲かれば、人の命をどうとも思わない、なんて酷い犯行でしょう。
組織バンク事件(2004年)でマイケルとバーバラは離婚!その後の結末は?
2008年、マイケルは懲役18年~58年の禁固刑を受けて刑務所へ。
4年間にわたる悪事が数百件に上るため、すべて有罪が確定すれば、終身刑になるはずでした。
…しかし、マイケルは2013年、移転性肝ガンであっけなく他界…。
葬儀屋の兄弟も損壊罪などで有罪、ほかの共犯者も窃盗などで逮捕されています。
葬儀場に運ばれた人や、証拠となる書類の大部分は焼却処分されていたことから、その後の調査で身元が判明した人は、わずか49人だけだったそうです
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そして…
信じていた夫を失い、幸せな暮らしから一転して地獄へと落とされたバーバラは、マイケルの遺産から460万ドル(当時約5億円)を賠償金として支払うことを約束したらしいですね。
なぜなら、何も知らないバーバラでしたが、書類作成などのマイケルの手伝いを行っていたからです。
それにしても、4年間にわたってマイケルの悪事がバレることなく、違法なパーツが病院などに流れていたことは非常に驚きです。
病院も研究機関も書類の偽造に気づかなかったくらいですから、相当に巧妙な手口だったのでしょう。
当時のアメリカでは「組織バンク」のチェック機能も甘いところがあったのかもしれませんね。
世のため・人のためにその頭脳を使うという考えが、マイケルに無かったことが悔やまれてなりません。
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