クロージング(営業)コツ,トーク術は?消費者心理を突いて成約率アップ!
営業の「クロージング」のコツやトーク術、消費者心理のどこを突けば成約率がアップするのか?…をテーマにしたいと思います!
私は住宅関連の会社で営業&管理職をしています。
今でこそ、支店の数字管理を任されたり、部下の営業指導を任されたりしていますが…
過去に1カ月の売上成績が52,500円(消費税率5%当時)という“ダントツ最下位”の恥ずかしい記録を出したことがあります(笑)
これ、新入社員の頃じゃないですよ。
入社1年以上の営業マンなのに、1カ月で売上52,500円って……お前、何してたんだ?という感じです^^;
一生懸命やっている“つもり”でしたが、慣れと甘えがあったんでしょう。
当時は結構ヘコみまして、「クロージング(契約を取る最終段階)ってどうやるんだろう?」「どんなトークをすれば成約率がアップするんだろう?」と真剣に悩みました。
で、自己啓発や営業関係の本を読み漁ったり、売上が安定している先輩に相談したりして、試行錯誤を繰り返す日々を過ごしました。
振り返れば、あの恥ずかしい経験があったからこそ、本気モードのスイッチが入ったんでしょうね。
その後、私は営業スタッフの中で1位を取りましたし、支店責任者となってからは1年のうち11カ月にわたって、社内の支店成績1位をキープすることができました。
(1カ月だけ、別の支店にトップの座を奪われました。惜しかった…!)
今回は、ダメ営業マンだった私が読んだ中から『クロージングの心理技術21』という本をご紹介し、勉強になった部分をシェアしたいと思います。
クロージングのコツを掴んでトーク術を高めるには、契約に至るまでの消費者の心理を知ることが欠かせません。
この本でも「人間が生まれながらにして持っている欲求とは?」から解説が始まるくらい、重要な要素です。
あなたも営業職に就いていて、クロージングが上手く行かなかったり、成績が伸び悩んでいたとしたら…
まずはお客様の脳の中を想像しながら行動するといいかもしれませんよ。
クロージングの心理技術21(ドルー・エリック・ホイットマン著)
目 次
クロージング(営業)コツ,トーク術~成約に導く5つのステップとは?
私が会社で仕事をしていると、色々な業種の営業マンが飛び込みでやって来ます。
・広告を弊誌に出しませんか?
・看板を○○に付けませんか?
・新しいHPを作りませんか?
・住宅地図を買いませんか?
・弊社と管理契約を結びませんか?
・セキュリティーシステムはいかが?
…などなど。
そして、一方的に自社の商品・サービスについて説明を始めます。
でも、ほぼお帰りいただいてるんですよね…^^;
なぜなら、仕事中にアポイントなしに来られて、いきなりセールスされるのが嫌だからです。
私も時々、地主さんや古家所有者さんのお宅を突然訪問しなければいけない状況があるので、気持ちはわからないでもないです。
でも、こちらの都合を考えずに一方的に説明を始める営業マンが本当に多いんですよね…。
私はアポなし訪問をしなければいけない状況でも、必ず曜日・時間・タイミングに気を遣っています。
商品・サービスの提案を受け入れるかどうかは、当然のことながら、相手が決めることですからね。
これは例えば、広告やネット情報を見て自ら問い合わせをしてくださったお客様でも同じことが言えると思います。
問い合わせをくださったからと言って、必ずその商品・サービスを利用するかはわかりません。
ちょっと説明だけ聞いてみようか?という人だったり、中には、問い合わせをくださったにも関わらず「自社が儲かるトークばかりする営業マンの食い物にされないためにどう距離を置こうか」…と、警戒している人だっているんですよ。
ですから、もともと商品・サービスをよく知らない人にセールスを仕掛けて成約・クロージングするには、クリアすべき“ハードル”が存在するというわけです。
『クロージングの心理技術21』によると、お客様を契約に導くまでのセールス&トークには5つのステップがあると書かれています。
これを私の業種に当てはめるなら…
1、お客様の注意を引く
チラシ広告やネット掲載などで物件の一番のメリット(利点)を目立たせ、興味を持ってもらう
2、興味を刺激する
対面で物件を紹介しながら、メリットによって得られるベネフィット(利益)を知ってもらう
3、欲求を呼び起こす
物件を案内しながら、ベネフィットによって手に入る明るい未来・生活をイメージしてもらう
4、証拠を示す
説得力のあるデータや過去のお客様の声などを示し、納得してもらう
5、行動を起こしてもらう
具体的な契約手順などを詳しく説明し、物件を決めてもらう
この5つのステップを経てクロージングが完了するわけですが、まずは、目の前のお客様が「今、どの段階にいるのか?」を知ることが大切です。
クロージング(営業)コツ,トーク術~お客様の段階を知ろう
クロージングに持っていくまでの5つのステップを紹介しましたが、まずお客様がどの段階にいるのか把握することで、対応の仕方が変わります。
これも私の業種に当てはめますと…
段階1・検討前
まだ物件や契約のことをよく知らない
段階2・検討
いくつかの物件情報を持っている。物件の比較をしている
段階3・準備
物件を絞り、購入を具体的に考えている。メリット・デメリット・口コミなどを気にしている
段階4・行動
物件を申し込んで契約(購入)する
段階5・継続(リピート)
購入後も付き合いが続き、知人を紹介してくれる。将来、別の物件も購入してくれる
段階5になると「あなたが営業担当だから買う」と言われるような最高レベル。
段階1から上げていくには、それなりの時間が必要になりますね。
お客様の段階を把握するには、しっかりとヒアリングしないといけません。
お客様の希望をヒアリングシートに細かく書いてもらうのもいいですし、
「この物件のどこが良くて、どこが足りないと思いましたか?」
「この環境(広さ、距離、間取りなど)をどう感じましたか?」
「その理由はなぜですか?」
…といった質問を繰り返しながら、どんどん掘り下げて本音を探りましょう。
本音を明かしてくれたらこちらのペース、あとは物件をきちんと絞り、「こちらでお話進めてよろしいですね?」とクロージングすることになります。
お客様の段階に合わせた各ツールを用意するのも良い作戦ですね。
どんな属性のお客様が見ても伝わりやすい物件チラシ、セールスレター、メールを用意するとか…
興味を持ってくれたお客様だけに配る詳しい資料(初期費用やローンシュミレーションなど)を作っておくとか…
クロージングの直前で使うための口コミ・感想資料を準備するとか…
最後の切り札として「期間限定◯◯プレゼント」「◯月までの割引サービス」を提示するとか…
まだ段階1にいるお客様に、過去のユーザーさんの感想資料を手渡してクロージングしようとしても決まらないのは一目瞭然。
クロージングのトークとは、何も特別な呪文のようなものではなく、お客様の段階に合わせた(あるいは先回りした)情報をタイミングよく提示するだけで効果を発揮します。
するとお客様は「ああ、この営業マンはわかってくれているな」と感じるのです。
もちろん、お客様がどの段階でも、できるだけ専門用語を使わず、易しい言葉でトークすることも大切です。
クロージング(営業)コツ,トーク術~お客様の感情にスポットを当てよう
クロージングするまでの5つのステップや、お客様の段階について説明しました。
もう一つ、私が『クロージングの心理技術21』を読んで勉強になった点がありまして…
それは、商品・サービスをセールスする際は「モノ」に焦点を当てるのではなく、お客様が抱いている「モノへの欲求」に焦点を当てるべき、というところです。
お客様にとって重要なことは、その商品・サービス自体というよりも、それによって快適な生活をもたらしてくれるのか?明るい未来を運んで来てくれるのか?…ということです。
上述した5つのステップの「ベネフィット(利益)」の部分ですね。
これも私の業種で例えるなら…
住宅を購入するお客様が求めているのは、木材や鉄骨でできた建物=モノではなく、これから手に入るであろう快適さです。
・広いリビングで家族そろって楽しく食事ができる!
・庭でバーベキューしたり寛いだりできる!
・朝夕の通勤ラッシュから解放される!
・毎日うるさい親から離れられる!
・お隣さんの騒音を気にしなくてよくなる!
・不審者対策バッチリだから安心!
・収納と物置が広いから荷物がすっぽり入る!
……みたいなポイントですね。
日ごろの不安・課題を解決してくれる物件なのか、希望を叶えてくれる物件なのか、これこそが重要。
快適な生活を送っている自分の姿をお客様がイメージできるよう、手助けするのが営業マンのトークというわけですね。
単に「リビングが25帖あります」「階段下にも収納があります」「相場よりも価格が抑え目なんです」…だけの説明ではお客様の心に響きません。
それ自体、購入する理由にはならないからです。
購入することによって、どう具体的に生活が良くなるのかを説明すべきなのです。
冒頭の飛び込み営業マンの話をもう一度出しますと、会社や商品・サービスの特徴だけをまくし立てたとしても、相手が訪問を心待ちにしている状態でない限り、成約に繋がることはないということですね。
『クロージングの心理技術21』にも触れられていますが、やはり売り込む(セールス)するタイミングも大切。
商品・サービスの特徴だけを話しても、それはセールスとは言えず「伝えている」に過ぎません。
伝えること(tell)と売ること(sell)は同じではなく、お客様に行動してもらうのは当然sellになるわけです。
ただし、いきなりsellをしても、相手は全く商品・サービスに興味がないかもしれません。
だからこそ、相手が警戒を解いてくれて、説明を聞いてくれて、信用してくれるまで、気を配りながら接していくんです。
営業とは「相手を思いやること」とも言えるかもしれませんね。
そういえば以前…
かなり“癖のある物件”をご案内した際、あえてデメリット・マイナス面ばかりを先に説明したところ、お客様が「デメリットをちゃんと開示してくれる会社は今までなかった」と言って、結果的に申し込んでくださったケースがありました。
私を信用してくださったようです(^^)
決して営業マンにスポットが当たるのではなく、お客様にスポットを当てる作業がセールスだと、あらためて感じますね。
『クロージングの心理技術21』では、タイトルにある通り21項目のテクニックが書かれています。
中には、同業他社・ライバルがお客様に仕掛けるであろう行動を“予言”することでお客様の気持ちを鷲づかみにする―といった高度な戦術もあります。
すべてを習得するのは難しいと思いますが、できる項目から実践していくだけでも効果はありますよ。
クロージングの心理技術21のマイナス面も少し…【補足】
『クロージングの心理技術21』に興味を持った方のために補足しますが、この本にはマイナス面もあります。
一つ目は、洋書の翻訳ですので、わかりにくい言い回しや、読みにくい文章がよく見られます。
例え話に拳銃が登場したり、登場人物が外国人さんだったり…
翻訳された文章が、高校時代の英文訳みたいな文章だったり…
まぁ、そこはサッと読み進めながら、要点をつかむようにしましょう。
もう一つは、価格が1冊3,700円(税抜き)と、やや高いこと。
とはいえ、これからのクロージング成約率をアップさせる自己投資と考えれば大きな額ではないでしょう。
まさに上述したように、人は商品を購入するけれど、そこから得られるベネフィット・効果を想像して購入するわけですから。
私にとっては、お客様の頭の中や本音を読み取ることの大切さを教えてくれた本です。
繰り返し読むことで、頭が柔軟になってきます。
ただし、最終的には21項目のテクニックを「知っている」だけで終わらせてはいけませんので、読んだ内容をしっかり「実行する」ことを続けていきたいと思っています。
ワンランク上の営業スキルを習得し、周囲と差をつけたいあなた、ぜひ手にとってみてください。
クロージングの心理技術21
なお、日ごろ営業の仕事をしている中での悩み・課題などをお持ちでしたら、問い合わせフォームからお寄せください。
私も勉強になりますし、解決できるかはわかりませんが、お話を聞くことはできますので。